半田同胞園母子生活支援施設で働く3人の職員。それぞれが語る、この施設の特徴とは?仕事のやりがいとは?そして未来に期待することとは?年代もキャリアも違う3人の本音発言から、ここ母子生活支援施設で働く「あなた自身」をイメージしていただけたら、と思います。

少年指導員
メロン
Melon

少年指導員
リンゴ
Apple

母子支援員
バナナ
Banana

半田同胞園母子生活支援施設の特徴や魅力は、どこにあるのか?


バナナ 私たちが働く母子生活支援施設は、世の中にあまり認知されていない存在かもしれません。そこでまずは、施設の特徴について、語り合いましょう。
メロン 母子生活支援施設は、様々な事情によって支援を必要とする母子のための施設です。母と子が安心、安全に暮らせるよう、日々最善を尽くすのが私たちの役割。この役割を職員全員がしっかりと自覚して、チームワークで支え続けています。
リンゴ チームワークで支えてもらっているという安心感こそが母子にとっての「心の拠り所」になる・・・私たちは日々ここをめざして仕事をしています。
バナナ そうですね。母子の「今」を支え、そして将来的な自立に向けて、安心と生活する力を「明日」へとつなぐ。そのために何をすべきかを考え、実践するのが私たちの日常です。いわば母子にとって、ここは通過点。社会に出るための練習の場なので、失敗してもいい。そんな試行錯誤を含めて支えていくのが私たちの仕事なのです。
メロン やるべきことはたくさんありますが、これからも阿吽の呼吸で動けるチームワークで、母子の暮らしを支えていきたいと思っています。
バナナ 利用者である母子にとってのメリットや魅力についてはどうでしょう?
メロン 駅から近いこと。保育園が敷地内にあること。小中学校も近いこと。この立地は大きなメリットだと思います。
バナナ 季節ごとの楽しいイベントが盛り沢山であることも、母子にとっての魅力になっているようです。
リンゴ 遠足、キャンプ、海水浴、スポーツ大会、カルチャー教室、お楽しみ会など、私たちが企画立案して盛り上げるイベントは、いつも笑顔が絶えない会になっています。
メロン 中でも和太鼓発表会などは、日頃の練習の成果の発表の場として、毎回感動を呼ぶ特別なイベントへと育っています。
リンゴ そうですね。子どもたちの自信に満ちた表情、それを見守る母たちの満ち足りた表情が印象的。私たちにとっても心満たされるスペシャルな日ですね。
バナナ それから劇団四季のミュージカル、ボーリング大会など、企業・団体からのご招待を受けるイベントもあり、年々楽しみの機会が増えています。
メロン 母子と職員が一体となって、心から楽しめるイベントの数々。これからも半田同胞園らしい行事を考え、具現化、そして恒例化していきたいですね。



仕事のやりがいを感じるのは、どんな瞬間なのか?


バナナ 仕事のやりがいを感じるのは、どんな瞬間ですか?
メロン子どもたちの成長を感じるときですね。進級、進学のタイミングで感じる子どもたちの成長ぶりは、シンプルに嬉しいですね。
リンゴ 行事などで、楽しそうにしている母子の姿を見るたびに、支える側の喜びを実感します。
バナナ ここを巣立っていった子どもたちが、行事のボランティアとして手伝ってくれるケースも多く、そのときに彼ら彼女らの頼もしい成長ぶりに、思わず嬉しくなりますね。
メロン 学校の先生、福祉事務所の職員、大学教授、その他多様な機関の専門職の方々など、通常なら会わない人々と連携して、様々な課題解決に挑む、その貴重な経験の一つひとつも、やりがいになっています。
バナナ そうですね。様々な出会いと協働によるトライアルを通じての経験の積み重ねが、自らの仕事のノウハウになっていく手応えは、やりがいの一つかもしれません。
リンゴ 私は、まだまだ経験不足ですが、先輩たちのノウハウも受け継ぎながら、母子生活支援のための自分なりの経験値をしっかりと積み上げていきたいと思います。
バナナ 数々の課題解決へのプロセスはときに大変ですが、見方を変えれば、自分自身の人間的な成長にもつながるプロセスでもありまます。そう考えると、どんな難題であっても取り組みがいもあると私は考えています。
メロン 同感です。母子の未来につながる取り組みであれば、躊躇せず果敢に挑みたい。そして解決のための「引き出し」を増やしていければ、と思います。話は変わりますが、年に一回行われる退所者が集まる同窓会も、毎回、感慨深いですね。ここを巣立って、自立する皆さんの近況報告を受け、その充実ぶりを知るたびに、何か胸に迫るものがあります。
リンゴ 確かにそうですね。退所者と会って話す度に、「今ここで生活する母子たちにとって、もっともっと頼りになる存在にならなければ・・・」と再認識させられますね。
バナナ 私たちの支えと、母子たちの頑張りの先に、それぞれの自立への道が開かれるわけですからね。そのことを思うと、改めて私たちの役割を自覚して、また、明日から頑張ろう!という意欲が湧いてきます。
メロン 同窓会は、いわば私たちの使命や役割を再度確認して、仕事へのモチベーションを高める場なのかもしれませんね。ほんとうに毎回、パワーをもらっています。



母子生活支援施設の未来に、何を期待するのか?


バナナ 現状、「母子生活支援施設って何?」という存在なので、みなさんに知ってもらいたいというのが正直なところです。そのためには半田同胞園の母子生活支援施設が「模範」となるような存在にならなければ、と思っています。
メロン そうですね。県内外の他の母子生活支援施設との連携、情報共有、ノウハウ共有も積極的に行い、お互いに切磋琢磨しながら、その中で我々から提言したり、経験に基づく新たな情報を発信したりしていければ、いいですね。
リンゴ 賛成です。情報発信力のある存在になれたら、いいですね。
バナナ そうですね。定期的な研修会や勉強会の場でも、積極的に発言していきましょう。できるなら、全国の施設から相談されるような、頼りになる存在をめざしましょう。
メロン 課題解決のヒントを提供できるリーダー的な役割ですね。そのくらいの高い目標を掲げて挑み続ける姿勢が大切なのかもしれません。
バナナ 例えばグローバル対応。様々な国籍の方々の受け入れ態勢も整え、先駆的な取り組みをして、それをノウハウとして発信するなど柔軟な実践で、利用者の門戸を広げるアプローチをしていきたい。
リンゴ そうですね。前例に縛られないチャレンジも、これからは必要ですね。
メロン 時代に合わせて、変えていく努力、挑戦は必須だと思います。もちろん伝統的に変えるべきではないということを踏まえて。例えば各種フォーラムなどで、活発な議論をするのも一つの方法。ここでともに挑むテーマを探って、トライするとか。
リンゴ 今回の座談会も、いい機会。私たちだけじゃなく、他の施設の職員も交えて、座談会で忌憚のない意見交換するのも、ありですね。
バナナ それから個人個人が自発的に学ぶ姿勢も大切だと私は考えています。施設内でケース検討会をしたり、心理学などの本を読んだり、それぞれの職員のペースで学びを得たりしていくことも職員のスキルアップにつながります。
メロン 日々の実践と経験の積み重ねで、少しずつ進化していくのが理想かも。ぜひトライしたいですね。
バナナ 話が尽きませんが、この辺で。本日は、ありがとうございました。貴重な意見交換ができました。また、機会があったら、議論しましょう。